投資初心者
・とりあえず、あの人が勧める株だから買ってみよう
・利回りがよいから絶対もうかる
・上がっている株だからこれを逃したら損だよね
投資初心者にみられるこれらの発想は、もしかしたら危険かもしれません。
ベテラン投資家ちえじぃ
今回は、初心者が失敗しがちな5つの発想について解説したいと思います。私の過去に失敗した経験や、一緒に投資した仲間の失敗談も踏まえて、まとめみました。ぜひ参考にしてください。
各失敗のあとに、格言ぽいものも付けてみました。
参考:金融庁:投資の基本
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/knowledge/basic/index.html他、各種投資セミナーなどから
目次
証券会社の人が親切、丁寧で舞い上がって株を買ってしまう
これは、はじめて証券会社や銀行の営業さんと話した投資初心者に、よくありがちな行動です。
職場でボロクソに扱われて、家族からも雑な扱いをされる中で、証券会社に行くと、「とても丁寧な扱い」をしてくれた。「証券会社の人は、自分の価値をよくわかってくれている!」「なんて、心優しくて、いい人たちなんだろう」と思うこともあるかもしれません。
この人たちのお勧めする証券や株が「悪い物のはずがないっ!」と思ったのもつかの間。
ある日の証券会社の人から…
- 「なるほど!IPO?(新規公開株)」
- 「なんかよくわからないけど、あなたのオススメするものなら、買います。いくら必要?」
- 「うーん、ちょっと高いけど、頑張ります」
そして、迎えたIPO当日。
- 「よしっ!今日の新規上場で買った株に高く値がついて、俺も配当収入で悠々自適な生活のはじまりだな(ニヤリッ)」
- 「えっ….。めっちゃ、さがっとるやん!!(泣)」
こんな事態になったら目も当てられません。
営業マンに、丁寧に扱われて、気分を良くして、正しい判断もせずに、そのまま買ってしまうのは、初心者の一番やりがちな失敗です。
なぜダメかというと、売っている人が「優しいとか、礼儀正しいとか、親切とか」株価の要因に全く関係がないからです。
むしろ、売りずらい商品ほど、手数料が高く、手数料が高い商品ほど、腕の良い営業マンが売っているので、営業マンの丁寧な対応というのは、危険な可能性が高いです。
凄腕の営業マンは、そこら辺の石ころでも、ダイヤの原石ように、思わせることができます。
投資初心者は、営業マンの礼儀正しさ、親切さで、判断するべきではありません。
礼儀正しく、丁寧なのは、その人の年収が高いからです。年収が高いのは、手数料が高く、その投資商品が売りにくい商品である可能性が高いのです。
むしろ、証券会社の営業マンからの情報は、良いところだけ切り取った偏った情報として見るくらいが丁度よいです。そうではなく、自分で良さそうな投資商品を探して、自分で調査して、自分の判断で投資するべきです。
というのは、心得ておく必要があるかもしれません。
人が良いという株をそのまま買ってしまう
投資初心者のやりがちのな失敗が、「誰かが良いといった株や証券」をそのまま買ってしまうパターンです。
- 「あれは、絶対上がるから」
- 「あそこの株は間違いない」
などと誰かが発言した株をそのまま買ってしまい、買った途端に大きく上がるどころか、下がってしまい、教えてくれた人との関係も崩れる…。なんてことにもなりかねません。
なぜ、人に言われた株がダメなのかというと、上がる株がわかる人は、99.9%いないからです。もし、いたとしたら、関係者なのでインサイダー取引で犯罪者です。仮に、その人が絶対上がると言っていても、「その人自体が、誰かの間違った情報」を参考にしている可能性があります。
よく考えてみてください。上がる株がわかれば、黙って買って、当日まで待てばよいのです。お金がないなら、借りて投資することだってできます。
誰かに進める理由はありません。もし本当に、上がる株が分かる人ならば、あなたの近くにいるはずがありません。もっと違う仕事(富裕層向けの資産運用など)をしているはずです。
それに、投資をよくわかっていない人ほど、「あれば、絶対あがる」という表現を使いがちです。市場の「ランダム性(めちゃくちゃな動き)」をわかっていない人だから「絶対」という言葉をつかえるのです。
「もし、誰かがあの株がよい」ということを言っている発言を聞いたら、すぐに聞き流してください。試しにと、買ったら最後、友人・知人との信頼関係が崩れてしまうことになりかねません。
これは大切です。
大手企業・好きなブランドというだけで買ってしまった
色々調べたけど、結局わからず、「大手だから!」「好きだから!」という理由で株を選定しまうのもよくありません。
なぜダメかというと、判断基準が「主観的・感情的」だからです。
株の価格とは、業績と将来の可能性で上がったり、下がったりするものです。あの経営者だから応援したいという理由で株を買うもよいですが、きちんと資産運用をしたいのであれば、「業績」や「将来の可能性」をきちんと見て判断するべきです。
そして、注意点が「大手」や「好きなブランド」という株に限って、過大評価してしまう傾向があります。ちょっとダメなところもあるけど、好きだから、大手だからという理由で、そういった点が、かすんで見えなくなってしまいます。
株式投資において、正しく企業を評価することが重要なのに、偏った評価をしてしまい、正しい判断ができなくなってしまいます。
大手企業、好きな企業には、注意が必要です。
これも心に刻んでおく必要があるかもしれません。
過去の値上がり実績が高いからという理由で買ってしまう
「過去3年で株価が300%に増加しているから、この企業の株を買おう!」と判断してしまうのもよくありません。
- 「よし!いい株が買えたな、このまま上がってくれれば、俺も億万長者か」
という夢もつかの間、あっという間に、半分以下になってしまうこともあります。
過去のリターン(値上がり)は、しょせん過去の実績に過ぎないからです。これからも上がるとは限りません。
それに1つ重要な気を付けるべき点として、大きく価格上昇している株は「バブルの可能性」を持つことです。
これは、人気が集まり、人気がさらなる買いをあつめ、実体以上に価格が高騰している状態です。
また、価格を不当に釣り上げて、甘い蜜を吸おうと考えている業者が、その準備段階として株価を操作している可能性もあります。
買ったタイミングが、一番山の頂上で、買ったが最後、大きく値下がりするということにもなりかねません。
過去の実績は、あくまで参考指標にしかなりません。むしろ、ブームによって実体の価値よりも大きな価格上昇を起こしていないか注意が必要です。
これも重要なポイントです。
利回りが良いからという理由だけで買ってしまう
トルコリラの事例が有名ですが、トルコの通貨であるトルコリラは、当時(というか今も)年間15%ほどの金利が付けられました(FXでレバレッジを少しかけたとして)。7年ほど保有すると、2倍になるような計算がなりたちます。
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持っているだけで、増えるということで、一気に注目があつまり、たくさんの投資家が保有していました。
しかし、その間、トルコリラの価値はどんどん減少を続けて、金利の利益なんて、全く気にならないくらいの「大きな下落」を見せました。
出典:トルコリラ急落:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/photo/AS20180811002080.html
どんどん価値が下がり続ける中で、投資家の含み損(確定前の損)がどんどん膨らみ、ついに2018年8月10日、目も当てられないような「大幅な下落」が起こり、多くの投資家が多額の損失を抱えました。ほとんどの方が、下がる途中で強制ロスカット(自動的に損失が確定)し、資産がゼロというところで止まったかもしれません。
なぜ利回りが高いだけで投資するのが良くないかというと、「利回りがよい=リスクが高い」(何らかの理由で価値が大きく減少する可能性がある)からです。
10%の利回りなら、100万円が1年後110万円になるのか!と簡単な計算をして、夢をふくらますのは危険です。利回りが高いということはそれなりの理由があるのです。
と肝に銘じておく必要があるかもしれません。
以上が、初心者の陥りやすい誤った投資判断でした。
もちろん例外もあり、必ずしも、この通りとは限りませんが、何が起こるかわからない投資の世界、注意してもしきれません。
まとめ
この記事のポイントをおさらいしますと、初心者が投資で気を付けるべきは、次の5つです。
- 「親切・丁寧な営業マンほど、ガラクタを売るのが上手い」
- 「人に言われた株を買うことは、人間関係も急落する」
- 「好きな株こそ、欠点が見えずらい」
- 「ブームに飛び乗ると、真っ逆さまに落ちる」
- 「利回り高い=おまけが無いと売れない不人気商品」
投資というのは、非常に難しいものです。
証券会社でプロのトレーダーとして活躍し、最近Twitterで有名な「広瀬隆雄さん(60歳、JPモルガン証券会社のトレーダー)」も、相場が実際どうなるかは、わからないと言っていました。
長年相場を見てきたプロ中のプロでも相場はわからないといっているので、つい最近参加した投資初心者が、株価を予想をしても当たるはずがありません。
それよりも、アマチュア投資家が大切にすべきなのは「大きく損をしないこと」、つまり「リスクをコントロールすること」なのです。
少しの損には目をつむって、大きな損をしなければ、「複利の効果」で、確実に資産を積み上げることができます。
それにあたって、金融庁から出ている「投資の基本」に記してある「分散投資」「長期保有」「積立投資」を忠実に実行することが大切です。
参考:金融庁:投資の基本
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/knowledge/basic/index.html
いまは、テクノロジーの発達が進み、わざわざ自分でたくさんの株や債券を選んで、買って、分散投資しなくても「しくみ」でロボットが実行してくれる「ロボットアドバイザー」というものも出てきています。こういったものを活用すれば初心者でも賢く資産運用が可能です。

このサイトでも、各社から出ている「ロボットアドバイザー」を比較していますので、参考してみてください。
それでは、くれぐれも安全な資産運用を。
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