投資初心者ミナ
今回で第2回目となる「望月さん」に「投資の基本的な考え方」について聞いてみたシリーズです。望月さんは、パリで8年証券マンとして活躍し、警視庁の特別捜査官、投資の解説でラジオ日経のパーソナリティも務めていた投資の大ベテラン。いまはNPO法人の専務理事をしています。
NPO法人 専務理事 望月氏
今回は、息子と母の投資スタイルから「株の値上がりだけではない」異なった投資の楽しみ方についてお話します。
1949年生まれ(70歳)。慶応大学法学部卒。旧・四大証券会社の1つ山一証券入社。新日本証券(現みずほ証券)の国際部(所長)としてパリに8年駐在。多数の金融商品に関して広い知識を持つ。また、警視庁(NY市警察)に、特殊捜査官として参画していた経験も持ち、多くの事例・投資手法にも精通している。 現在、経営コンサルタント。株式会社三技協顧問。NPO法人の投資クラブ支援会社「イカス」を設立。専務理事。公式サイトはこちら 元ラジオ日経「株式宅配便」のパーソナリティ。書籍「5年でお金を2倍に殖やす株式投資塾(あさ出版)」を執筆。 望月純夫Twitter @mussu104 |
投資で成功するための基本的な考え方
語学も投資の勉強も同じ?
私が「8年間パリに駐在していました」というと「フランス語が上手いのですか?」と聞かれるのが、実は辛いところです。そんなときは「営業は語学力でするはない」とごまかす私ですが、35歳から勉強したフランス語だけに本当に大変でした。
日本から持ち込んだ日記帳をつけて、その日に覚えたフランス語の単語を手書きしました。その結果、かなりのフランス語がわかるようになりました。株の投資でも同じことが言えます。経験したことを記録することが上達の近道です。投資というのは、長く続けるものですが、買ったときの記憶というのは、すぐに忘れてしまうものです。必ず記録してください。
持ち株で儲かった息子は?
さて、息子(彼)は、入社時にお世話になった専務の退職後に転職して米系の半導体商社に、初めて職住接近の新横浜から目黒へ移りましたが、そうそうに通勤地獄でギブアップ。
先輩から誘われ新横浜に日本の本社がある英系の半導体商社に再度転職しました。自転車で通えるだけに快適だったようです。夜遅くイギリスの本社との連絡で残業残業、でも朝の出勤は10時でも良いとか、働き方の違いも経験出来て良かったようです。以前は、持ち株会、そして、こんどはストックオプション(社員向け株の購入権利)となり、株式に対する知識が深まったようです。
株主優待を狙った投資スタイル
彼も結婚して子供が出来ると投資のスタイルが変わりました。子供の成長に合わせ、サンリオ、タカラトミー、サイゼリヤ、スタジオアリス、マクドナルド、東京ディズニーランド(TDL)等々に広がりました。
タカラトミーの株主総会には子供と一緒に出かけ、総会参加者用の特別ミニカーをもらったりしました。同じ時期、私は映画が趣味なので東急レクレーション、武蔵野館、東京テアトルの株を持ち、可能な限り無料で映画を楽しみました。港北ニュータウン内に出来たサンマルクの株主にもなりました。出来たての暖かいパンが食べることができたからです。ただ、ある日のパンが冷えていたので、翌日その株を売却したこともあります…。価格ばかりに執着せず、そんな気長な投資スタイルもありかもしれません。
毎月株主優待がもらえるポートフォリオ
実父が亡くなり、3年過ぎたところで地元の母が上京、同居生活が始まりました。母も毎日のように株式欄をみて株価のチェック、「株は上がったり下がったりと大変」と言っていました。判断力が衰え、証券会社の担当者との意見の食い違いも増えたところで、完全に投資スタイルを変えました。
毎月株主優待が貰えるポートフォリオ(株の構成)に変更しました。この優待により、毎月食料品等が貰え、楽しみが増えました。例えば、1月はモロゾフ、2月はポプラ、3月は味の素、カゴメというようにしました。多くの企業は3月決算なので、3月はどうしても多くなります。また、株主優待の時期をずらすのなかなか大変でした。
株主優待なら株価に一喜一憂する必要なし
妻と娘は、上場して間もないスタートトゥディ(現、ZOZO)を購入し、数万円相当の商品(衣料)を頂いて喜んでいました。株価に一喜一憂することがない投資で大満足です。こういった、楽しく生活を豊かにする投資も手法の一つですね。
私は証券マン時代、イギリスを訪問し、株の勉強会に参加した時、自分たちが投資している先のレストランで会合を開き、ここのサービスが良い悪いという論議をしていました。その企業に対するアドバイスも株主の義務と言うことでしょうね。
次回は、また異なる角度で学んでいきましょう。
それでは、賢い資産運用を。