投資未経験タク
ソフトバンクグループの株主総会ってどんな感じ?
ソフトバンクは何を考えているのか?
今年で39回目となるソフトバンクグループの株主総会に参加してきました(2019年6月)。内容について要点をレポートしたいと思います。
投資初心者ミナ
役員であるユニクロ(ファーストリテイリング)の柳井正さんも出席しています。
2018年度の会社全体として事業はどうだったの?
まずは会社として売上は、5%増加と堅実です。
営業利益は、81%と大幅に増加しています。投資会社として、ビジョンファンドの事業が頭角を現しています。
会社の純利益としては「1兆円」を3年連続で出しています。
2019年、株主分割を予定
5月に発表がありましたが、株主分割を2019年6月27日に実施します。
株式分割をするので配当が倍増する予定です。1年で44円の配当が、88円になる予定です。元々配当利回りは高くないですが、これは大きいですね。
ソフトバンクGが1対2の株式分割、6月27日の株主に – ロイター
https://jp.reuters.com/article/softbank-stock-idJPKCN1SF0F8
各事業について
ソフトバンク(インターネット事業)
ソフトバンク事業は、
- スマホ契約数 10%増加
- ブロードバンド契約数 9%増加
- 利益 6%増加
順調に増加しています。
Yahoo(広告、ショッピング)事業
ヤフオクやヤフーショッピングがるYahoo!も好調です。
- 広告事業は 売上7%増加
- ショッピング 売上23%増加
- PayPay 登録 700万人を突破
スプリント(米国 3,4位の携帯キャリア)
何かと話題のスプリントですが、
- 売上 4%増加
- Tモバイルとの大型合併を予定
設備にも投資して、5Gに力を入れていくそうです。
ARM(半導体チップメーカー、世界最大のアーム)
数年前に大きな買収として話題になったアームですが、
- チップ出荷数 8%増加
情報革命、AI戦略に、半導体は必須です。中核事業として見据えて、グローバルな戦力をしていくそうです。
アリババ
いまだにアリババの成長はやばいです。
- 売上 51%増加
- 利益 12%増加
ソフトバンク・ビジョン・ファンド(孫社長注力の事業)
75のユニコーン企業に出資し、どんどん投資先は広がり、また成長しているそうです。
投資して成長している企業
- WeWork(次世代ワークオフィス)
- OYO(爆発成長してるインド最大のホテル予約)
- Paytm(インド最大のモバイル決済)
- Uber(次世代配車サービス)
新しい投資先も増えました
- coupang(韓国最大EC)
- tokopedia(インド最大EC)
- Cruise Automation(GMの自動運転者開発部門)
クルーズオートメションは、公式サイトの動画が素敵です。https://getcruise.com/
買うだけではなく、投資先の譲渡も行っています。
- flipkart 1467億円の投資利益
- エヌビディア 3068億円の投資履歴
売却は、ベンチャー企業の経営陣と購入先の合意があって、はじめて実施しているそうです。ハゲタカファンドのように、経営を良くして、売却してるわけではない様子。
補足、ビジョン・ファンドについて
ちなみに直近の更新としては
- アリババの株式を売却(SBG投資家への利益目的)
- 1.2兆円を利益として計上予定
ということです。
2020年の決算でも大きな利益を出しそうです。
投資初心者ミナ
社長 孫さんのプレゼン
続いて、孫さんのプレゼンテーションがはじまりました。例年にも増して、今年は長く、濃いプレゼンでした。
孫正義氏
ソフトバンク時代は、97%をソフトバンクの事業に時間と頭脳を使っていたそうですが、ソフトバンク・グループになった現在は、孫さんの頭脳と時間の97%をビジョンファンドに使っているそうです。
ビジョン・ファンド好調です。
ちなみに、1株あたり2万円を超える価値となっています(保有株式 ー 純負債で算出)
現在、1株1万円前後なのでいずれ上がるのは、目に見えているとのこと。
次世代 2020年以降がどうなるかについて
歴史を見ると、1960年からはじまった産業革命で大きな変革がありました。
- エジソン(電力の共有、システム確率)
- フォード(自動車の普及)
- ロックフェラー(石油の安定供給)
- モルガン(安定した資金提供、金融、銀行)
産業革命は、世界的な事業も大きく変えました。
米国GDPは260倍に成長しました。
そして、私たちは、次の革命を体験しています。
それが「情報革命」です。
成長は、二次曲線で、1994年のネット企業の時価総額から1000倍以上の時価総額となり、産業革命以上の革命が起きています。
世界のトップ企業も大きく変わりました。
1994年の時価総額の企業ランキングは、NTTが1位、他IT系は、IBMが存在するくらいでしたが、大きくわかっています。ほとんどがIT企業です。
投資初心者ミナ
現在は、IT企業のトップは、小売り6%、広告1%です。ごく一部の産業しか情報革命が起きていません。
これからは「不動産」「政府」「企業向けサービス」「製造業」「教育」「医療」「金融」すべての産業に情報革新が起きていきます。
その革命の裏で、起業家たちが魂を込めて活動をしています。
そして、ソフトバンクグループは、その「指揮者」になります。
孫正義氏
これはどうゆうことだろう?大人になって分かってきました。
いくつかの演奏を聴くと、同じ楽曲でも、全く違うように聞こえる。そう、指揮者によって奏でられる演奏は全く違う。指揮者は良い演奏をするために、無くてはならない存在なのだと。
スティーブジョブズは、エンジニアを指揮して、iPhoneやiPodを生み出してきたように、ソフトバンク・ビジョン・ファンドは、起業家集団を「オーケストレート」していきたいということでした。
ソフトバンクGは、世界最大のライドシェアを4つ保有
配車サービスが急激に伸びている世界中の7000万人が活用しているが、4社ともソフトバンクが筆頭株主になっています。
ワーキングコミュニティのweworkは、利用者数が急拡大しています。
インド最大のホテルネットワーク「オヨ」は、既存のホテル「マリオット」「ヒルトン」を大きく部屋数で超えました。
孫正義氏
投資先は、各国、各業界でNo.1の企業が多く、ソフトバンクグループは、その指揮者となることで、最強と最強をより良い形で結びつけて、素晴らしい音楽が奏でられるはずと語っていました。
孫さんと投資
アルバイト2名、PCの卸売りからはじめたソフトバンクですが、インターネット(ソフトウェア時代)、ブロードバンド契約(Yahoo時代)、そして、ソフトバンクになりiPhoneの先行販売が成功し、大きく成長しています。
その過程で、孫さんは、インターネットの可能性は大いに感じていて、当初から、さまざまな投資したい企業が存在したといいます。ただ、その当時は、資金がなく、時間もないので、投資はできなかったそうです。アリババなどに趣味程度で投資をやっていたくらい。
あの時に、もし現金があれば、大きな投資ができ、ソフトバンクは時価総額が世界規模となって、世界をブイブイ言わせている状態になっていたかもしれないと後悔しているそうです。
いま現在は、資金もあり、ファンドとしての事業の時間もあるため、ここぞ!とばかりに、AI企業への投資に積極的に行っているそうです。
AIベンチャー企業の総どり
ソフトバンクGは、一匹一匹の魚を釣ることはやめて、AI企業に、網を川に広げて魚を総どりする作戦に出ているようです。
というのも
- 世界のベンチャーキャピタル 総合計 8.6兆円
- ソフトバンク・ビジョン・ファンド 10兆円
投資ている金額だけみても、ソフトバンクの方が、世界中の投資会社の合計よりも、投資規模が大きく、多くを投資している様子がわかります。
ビジョンファンドはどんな特徴があるか?
ソフトバンク・ビジョン・ファンドの特徴は次です。
- AI企業に特化
- ユニコーンに投資(圧倒的なNo.1ばかり購入)
- シナジーを創出(No.1ばかりなので相互作業を生み出しやすい)
ユニコーン企業ばかり購入していることから「ユニコーン・ハンター」という呼び方をしているそうです。圧倒的なNo.1の企業を購入していることで、強い物同士のシナジーが生み出せると考えているそうです。
ファンドの利益は大丈夫?
ところで、実際には、投資額が大きすぎてあまりに購入して利益は出ているのか?という点が気になります。しかし、実際は、
- 年間当たり 45%の利益
と100%投資して、1.4倍になるような高いリターンを得ています。
一般的にベンチャーへの投資は、平均 13%の儲けと言われていますので、それよりも高いリターンが出ています。この点、やはり有言実行です。
ファンドの今後
いままでは投資の専門家集団をもっていたわけではなく、孫さんが2,3名のアシスタントを使って、また、3%くらいの空いた時間、頭脳で趣味レベルにやっていた投資していたという状態でした。
これからは、97%の時間、頭脳を使って投資を実施し、専門家集団を使る予定と話していました。推測では、415名→1000名にまで増加するではないかと言われています。
2019年、ファンド1の投資(3兆円規模)ががもう少しで終わります。続いて、ファンド2の投資(?兆円規模)の投資に向けて、投資先を検討しているそうです。
情報革命企業のエコシステムをつくりたい
ソフトバンクGは、継続的な企業を目指すそうです。
- 指揮者=ソフトバンクG(孫社長)
- 演奏家=AI企業
であるときに、その楽団は、1人の有能な指揮者で終わるのではなく、継続して良い指揮者が現れていく必要があると考えているそうです。
- 有能な指揮者が誕生し
- そのもとに、有能な演奏家が来て、
- 演奏家が、気持ちよく演奏し、
- それによって常にお客さんが来てくれる
こういった継続的な楽団でなければいけないと考えているそうです。
そのために、指揮者が何度も変わっているか続いていける「エコシステム」作って、300年続く伝統とブランドを作っていきたいと語っていました。
2004年にこの会場で吹いた大ぼらが実現
昔話で、ソフトバンクの2004年の株主総会では、赤字続きで投資家からは非難が続きました。
ただ、そんな中で「何とか投資家に付いてきてもらいたい」ということで、その会場で孫さんがついたホラ話が、「いまは赤字ですが、未来のソフトバンクは、利益で1兆、2兆と数える規模になりたい」という虚言(ホラ)でした。
繰り返しになりますが、当時は、とてもではないですが、そんな状況ではなく、数年連続で赤字続きの状況でした。
そして、現在のソフトバンクGは、そのホラ話の通りに、大きく成長し「1兆円」を超える利益を出す企業となっています。
ネクストの30年ビジョン
そして、次の30年に向けて孫さんの新たな大ボラ、孫さん自身が英語にして「ビック・ビジョン」と呼んでいますが「時価総額 100兆、200兆円」の規模を目指すというものでした。
利益も10兆、20兆と数えるような、世界のTOP10に入る企業を作るとビジョンを掲げています。
ちなみに、200兆円の時価総額というとかなりありえない数字と思われるかもしれませんが、1年で15%ずつ増加すると、2040年には200兆円の時価総額になります。
そして、2018年度は16%成長しています。もしかしたらホラではないかもしれません。
お金ばかりの話が続いたとのことで、最後に孫さんが求めるソフトバンクについて語ってくれました。
孫さんが求めるものとは?
お金の話が続きましたが、お金は事業活動の結果であり、お金のための人生というのは、切ないとのこと。孫さんもそこは目指していないとか。
そして、情報革命によってこれからの時代に起きてくるのは
- 半導体チップがどんどん集積化
- 世界トップクラスのロボットカンパニーが誕生
- 知性を持ったコンピューターが登場してくる
- AIによる血液生体検査も可能になり
- DNA解析で病死のない世界も現れるかもしれない
- 自動運転で無事故の世界も訪れ
- 2300年くらいには、200歳になることも考えられる
これらの情報革命をソフトバンクGが後押しすることによって「世界の多くの人が、幸せになる世界」を実現することが、孫さんの目指すところだそうです。
孫さんの求めるソフトバンクとは?の最大の答えは
「情報革命で人々に幸せを」
なんですね。
投資初心者ミナ
質問タイム
シンギュラリティ(技術特異点)なんて来る?最近は、技術向上が頭打ちな気がする。
孫正義氏
企業として、タックス・ヘイブン(税金回避)していくの?
孫正義氏
ベンチャーへの投資金額は、どうやって決めてるの?
孫正義氏
経営権を持つような、50%を超えることは目指していない。
投資した企業の株を売るタイミングは?
孫正義氏
(5歳の子供)孫さんのファンです、何勉強したらいいですか?
孫正義氏
2つめは、好きなことの他に、バランスよく色々なことを勉強してほしい。
3つめは、将来は何になりたいということを決めて、勉強してほしい。タイガーウッズは幼稚園の時から考えていた。5歳でも早すぎることはない。夢を持ってほしい。
いつまで社長やってくれますか?
孫正義氏
テレビ局を買ったらどうですか?
孫正義氏
役員報酬って高くない?
孫正義氏
いま、世界中の有能な経営陣は、取り合いになっています。ひと昔高いといわれたニケシュは日本では報酬が高すぎると批判を浴びたが、新しい会社では、ソフトバンクよりも同等かそれ以上の報酬をもらっています。欧米では、さらに高額な報酬が支払われています。
一番適切なのは、我々の会社の価値の増大に貢献したかということなので、最終的なソフトバンクGの価値を増やすのに、必要な報酬かどうかでご判断いただけれと思います。
スプリントの大合併って大丈夫?
スプリント マルセロ社長より
(米連邦通信委員会の許可待ちの状況であるが)楽観的に見守っている。一方、スプリント自体は、5Gのネットワーク実現に向けて、設備投資を続けている。
その他、他の役員からも各事業について一言。
ソフトバンクビジョンファンド責任者 ラジーブ氏より
実は、まだ2年ですが大きく成長しています。75のユニコーンに投資してきました。社員は400名まで成長しています。そして、世界中に投資を広げています。技術会社に対するプラットフォームとなりつつあります。今後も、成長していきます。ありがとうございます。
ファーストリテイリング 柳井氏より
今日は、困った事態だなと思っています。株主のみなさんから応援とか、勇気はもら良すぎだと思います。孫さんは、押さえないと、暴走しますよ。株主の皆様、暴走は止めてくださいね。ありがとうございます。
(後の話で)役員報酬は、現金ではもらっていますが、過去の報酬はすべてソフトバンクGの株に代えています(孫さんも知らなかった様子)
2018年より役員 三井物産 飯島社長より
三井物産は、どう改善するかを議論しますが、ソフトバンクGの取締役会は、非常に活発な議論をされています。「ノー」がどんどん出てきています。そういった意味でガバナンスが効いています。100兆円のビジョン実現も夢ではないのではと考えています。ありがとうございます。
議案について多数決
3つとも過半数の賛成を得られて終了です。
- 剰余金の処分
- 取締役12名の選任
- 監査役1名の選任
参加して感じたこと
今回の株主総会で、孫正義社長の熱いプレゼンを聞いて、「ビック・ビジョン」だったり、「情報革命で世界を、社会をよりよくする」という熱意が、強く伝わってきました。
また、途中厳しい質問、やや悪質な質問もありましたが、株主の質問に対して、孫社長が真摯に回答している姿が印象的でした。39回も株主総会をやっていると違いますね。
役員陣も豪華で、ファーストリテイリング(ユニクロ)の柳井社長の話が、ここで聞けるのは、ややお得のある株主総会であるように感じます(ちなみに、ファーストリテイリングの株主総会に参加するには、最低650万円以上の株を買い、山口県の本社に行く必要があります)
これから起きるAI革命の中心人物が、孫正義社長・ソフトバンクグループになることは間違いなさそうです。今後の動向が楽しみにです。
投資初心者ミナ