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株式会社はなぜできた?株式会社の歴史とメリットについて解説

投資初心者ミナ

・株式会社って何?
・株式会社ってどうして誕生したの?
・株式会社ってどんなメリットがあるの?
・ヨーロッパでなぜ香辛料が高価だったのか?

今回は、こんな「株式会社」の疑問を解決するコンテンツをお届けします。

NPO法人 専務理事 望月氏

こんにちは、元ラジオ日経「株式宅配便」のパーソナリティのムッシュです。投資用語シリーズです。今回は、株式会社の歴史などについて解説します。
この人にインタビュー:望月純夫(もちづき・すみお)氏
1949年生まれ(70歳)。慶応大学法学部卒。旧・四大証券会社の1つ山一証券入社。新日本証券(現みずほ証券)の国際部(所長)としてパリに8年駐在。多数の金融商品に関して広い知識を持つ。また、警視庁(NY市警察)に、特殊捜査官として参画していた経験も持ち、多くの事例・投資手法にも精通している。

現在、経営コンサルタント。株式会社三技協顧問。NPO法人の投資クラブ支援会社「イカス」を設立。専務理事。公式サイトはこちら

元ラジオ日経「株式宅配便」のパーソナリティ。書籍「5年でお金を2倍に殖やす株式投資塾(あさ出版)」を執筆。

望月純夫Twitter @mussu104

株式会社って?

一言で、経営者が事業を行うにあたって、株主から資金を集めて、利益を配当という形で、株主に還元する組織のことです。事業の行うにあたって、多くの労働者が関与し、労働の対価として給与を受け取ります。

株式会社は、四者にメリットがある仕組みです。

  • 従業員には、労働の対価として給与を受け取れるメリットあります。
  • 経営者には、自分の事業を実現させるメリットや、また利益を受け取れるメリットがあります。
  • 株主には、出資したお金に対して配当を受け取れるメリットがあります。また、株券を他の人に売ることで株価の値上がり益も受け取れることができます。
  • 利用者は、事業を通じて、商品・サービスが受け取れるメリットがあります。

株式会社の歴史は?

時代は、17世紀ヨーロッパ。

Wiki 17世紀ヨーロッパ(フランスの様子 1642年)
https://en.wikipedia.org/wiki/17th_century

現代では当たり前の「株式会社」ですが、当時は画期的なシステムでした。

登場したのは、1602年(17世紀)です。「オランダ東インド会社」が世界最初の会社とされています。

どんな事業をしていたのかというと、香辛料(スパイス)の貿易です(主に輸入)。香辛料は、当時のヨーロッパでも貴重で高価なものでした。貿易商人たちの間で、運ぶのが簡単で、高く売れることもあり、人気の商材でした。

香辛料が人気なのか?

なぜ、「香辛料が人気なのか?」というと、「オランダ東インド会社」が設立された17世紀のヨーロッパは、すでに家畜を行い、肉食を保存して、食べることが一般化していましたが、まだ冷蔵庫・冷凍庫などなく、長期保存するために塩漬けにして、食べることが通常でした。

ただ、この長期保存した肉ですが、そのまま食べるのには、あまりにも「臭すぎた」ため、肉の臭みを消す、魔法の粉として登場したのが「香辛料(コショウなど)」です。

香辛料は、気候や湿度の関係で、ヨーロッパでは栽培が難しい状況でした。そのため、インドやアジアから輸入する必要がありましたが、入手困難な時期は、金と同じくらいの価値を持つ時期もあったほどです。

そして、多くの商人がこの香辛料に目を付けて、インドやアジアに香辛料を求め、はじまったのが「大航海時代」です。

なぜ陸路ではないのか?

なぜ、陸路ではないのかというと、当時のヨーロッパは、敵国であるオスマン帝国が、制圧していたため、インドやアジアへの陸路で運ぶことが難しい状況にありました。

地図:ヨーロッパ人の進出とインド洋世界 – 世界の歴史まっぷ
https://www.sekainorekisi.com/world-history/ヨーロッパ人の進出とインド洋世界/

もう一つの理由が、また自動車や列車などは存在しないため、陸路を動物を使って運ぶには、コストがかかりすぎました。

一方、航海技術は、羅針盤(らしんばん)の登場と、マスト(風を受けて進むための帆)の大型化まどで発達し、また船の巨大化が進んだため、大量に香辛料を積むことができる船で運ぶ方がコストが安く済むことにつながったのです。

成功率20%のリスクの高いビジネス

商人がこぞって海に出たわけですが、航海技術が発達したといえども、当時の船はまだ弱く、難破(嵐などで船が破損・沈没)することもしばしばありました。また海には、海賊(盗賊)もいて、航海が成功する確率は、20%ほどしかありませんでした。

そのため、香辛料の輸入が1回成功すれば、かなりの利益になったものの、失敗するれば出資者は、大きな損となり、乗組員は命を落とすほどのリスクの高いビジネスでした。

一部の富裕層がこのビジネスに挑戦し、出資して分配金を受け取っていたものの、多くの人は、なかなか手を出しづらい状況がありました。ほとんど失敗するからです

株式会社がない時期の事業投資

そこで、「オランダ東インド会社」が初めて行ったのが「株式会社」というシステムです。

複数の航海(輸入)を1つの会社が行い、何回かの航海の結果で生み出した利益を「配当」として継続的に出資者に渡すような形にしました。出資者には、出資をしてもらう代わりに、継続的な配当を渡す約束をした「株券」を発行して、小口で多くの人に出資してもらうようにしました。

株式会社のしくみ

この「株式会社」のシステムは、大きな成功し、21世紀の現代でも、多くの会社がこのシステムを採用しています。

まとめ

今回は「株式会社」について解説しました。改めて要点を整理すると次の通りです。

この記事のポイント
  • 株式会社とは、事業のため株主から資金を集めて、配当金として利益を株主に還元する組織
  • 株式会社の歴史は、1602年の「オランダ東インド会社」から
  • 香辛料が人気なのは、長期保存して臭くなったニオイ消しのため
  • 多くの商人は人気のあった香辛料を求めて、大航海時代へ突入
  • 当時貿易は、成功率20%のリスクの高いビジネスだったため、株式会社が必須であった
  • 株式会社が成功して現代でも採用されるシステム

冒頭でもふれましたが株式会社は、出資者、経営者、従業員、利用者の四者にメリットのある形態です。あなたも、投資にチャレンジして、出資者としても、メリットを享受してみてください。

それでは、賢い資産運用を。