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【賢い投資術】株式会社の歴史、為替レートと貿易力の関係

投資初心者ミナ

・株式会社ってどこからはじまったの?
・戦後の日本が大きく回復した理由は?
・アメリカと中国の仲が悪化しているのはなぜ?

今回で第9回目となる「望月さん」に「投資の基本的な考え方」について聞いてみたシリーズです。望月さんは、パリで8年証券マンとして活躍し、警視庁の特別捜査官、投資の解説でラジオ日経のパーソナリティも務めていた投資の大ベテラン。いまはNPO法人の専務理事をしています。

NPO法人 専務理事 望月氏

こんにちは、元ラジオ日経「株式宅配便」のパーソナリティのムッシュです。

今回は、株式会社の歴史と、為替レートと貿易力の関係についてのお話です。

いまは日本でも、世界でも、たくさんの会社に株式投資できるようになっていますが、株式会社って元々、どのように始まったのでしょうか。

この人にインタビュー:望月純夫(もちづき・すみお)氏
1949年生まれ(70歳)。慶応大学法学部卒。旧・四大証券会社の1つ山一証券入社。新日本証券(現みずほ証券)の国際部(所長)としてパリに8年駐在。多数の金融商品に関して広い知識を持つ。また、警視庁(NY市警察)に、特殊捜査官として参画していた経験も持ち、多くの事例・投資手法にも精通している。

現在、経営コンサルタント。株式会社三技協顧問。NPO法人の投資クラブ支援会社「イカス」を設立。専務理事。公式サイトはこちら

元ラジオ日経「株式宅配便」のパーソナリティ。書籍「5年でお金を2倍に殖やす株式投資塾(あさ出版)」を執筆。

望月純夫Twitter @mussu104

世界と日本の株式会社の歴史

「株式会社」がはじまった背景や歴史はこちらで詳しく解説しましたのでご覧ください。

株式会社はなぜできた?株式会社の歴史とメリットについて解説

オランダ初の株式会社は大成功

株式とは、小口の資金で大きな投資をする仕組みで1602年にオランダで設立した「東インド会社」によって本格的に活用され、合理的な資金調達法として、東インドは200年にわたり利益を出し続けたことで、ヨーロッパやアメリカ、そして世界に広がりました。

日本で最初に生まれた「株式会社」は1873年(明治6年)の「第一国立銀行」とされています。新しい紙幣は、この第一国立銀行の創業者である「渋沢栄一」に決りました。第一国立銀行は日本最初の民間銀行で合併を繰り返し、現在の「みずほ銀行」となりました。

日本における株式会社の原型として坂本龍馬が設立した「亀山社中(かめやましゃちゅう)」(貿易結社)が、それに続くと言われ、1885年に日本郵船株式会社に衣替えしました。この亀山社中を引き継いだのが「岩崎弥太郎(いわさき やたろう、三菱財閥の創業者で初代総帥)」です。

同じ頃1878年に東京と大阪を中心に証券取引所が設けられ、戦争に向けて資金調達が必要とされ、市場は拡大しました。

インドは日本に先立つこと1875年に証券取引所が設立されました。

日本の貿易大国化

太平洋戦争(主にアメリカと日本の戦争)の後、アメリカはソ連と冷戦状態(米ソ冷戦)で、アメリカ側についていた日本には早く、戦争で弱体化した状態から回復してもらう必要がありました。

日本証券取引所は、太平洋戦争時は取引が中止されていましたが、1949年に再開され、日本の産業の再生がスタートしました。

同じ年、為替も1ドル=360円で決りました。この360円は、当時、日本の状況を見て、早く貿易力を回復させようと、少し日本円が有利な為替レート(固定)に決められました。これはアメリカ(マッカーサー)統治下のことです。

円高と日本の貿易力の低下

為替レートというのは貿易力をつけるには大切な手法で(300, 200, 100円…と円高になると貿易で黒字が出しづらくなる)、貿易力が回復するとハンディが徐々に引き上げられて行きます。

1971年のニクソン・ショックがハンディを引き上げる第1弾でした。1985年のプラザ合意が第2弾でした。米ソ冷戦が終わると、このハンディ(優遇された為替レート)が一気に引き上げられ、日本の貿易大国の地位が落ちだしていきます。

続いて中国が貿易大国に

それに変わり、米クリントン政権は中国を貿易大国に育て上げる為に、1995年に一気に為替を40%引き下げました。これにより中国が貿易大国の道を歩み始めます。

その影響により中国は、完全に日本を凌駕する力をつけ、アメリカさえも超える動きが出てきたことで、トランプ政権は中国の押さえ込み作戦をスタートしました。完全にレーガン政権時代の米ソ冷戦と同じ動きと言うことで、米中冷戦と言われ時代に入りました

日本は世界最古の会社を持つ

日本には、明治時代の株式会社設立とは異なり、伝統的な会社制度があり、その歴史は6世紀までさかのぼります。最古の企業は「金剛組」で西暦587年創業です。

この会社は世界最古の会社と言われています。それ以外にも、世界の古い企業ランキング10位以内に、日本の会社が7社が入っています。これを見る限り、日本は短期に利益を上げる会社よりも長期で雇用を確保し、従業員と共に繁栄していくビジネスモデルが合っているのかもしれませんね。


次回は、また異なる角度で学んでいきましょう。

それでは、賢い資産運用を。