ミナ
・でも、医療保険もあるよね?
・どっちがいいの?
・そもそもどう違うの?
今回は、そんな、死亡保険と医療保険の違いについてファイナンシャルプランナーの渡邉さんにとことん聞いてみました。
1級FP/相続診断士 渡邉先生
株式会社 AWARD 取締役 ( award-finance.com ) 1級ファイナンシャルプランナー/相続診断士 慶応義塾大学理工学部卒。大手企業にて5年間会社員の後、得意とする金融・相続の知識を活かして、現職。お客様にあった着実な資産計画に定評あり。全国通算120回以上の講演経験を持ち、 書籍「貯蓄完全ガイド」を監修(晋遊舎出版) |
目次
ざっくり、保険タイプの死亡と医療はどう違う?
おおまかに死亡保険と医療保険は、次の違いがあります。
- 死亡保険・・・保険対象者が死亡したら指定した人が受け取れる保険
- 医療保険・・・保険対象者が入院や手術で受け取れる保険
1級FP/相続診断士 渡邉先生
保障期間が、終身と定期とあるけどどう違う?
保証してくれる期間、つまり、お金が出る期間で、次の違いがあります。
- 終身保険・・・保証する期間が、一生続くタイプ(例えば、100歳も保障)
- 定期保険・・・保証する期間が、指定の有限期間のタイプ(例えば、10年間など)
1級FP/相続診断士 渡邉先生
保証期間 | 死亡したら | 入院・手術 |
---|---|---|
10年、20年、30年 | 定期死亡保険 | 定期医療保険 |
一生 | 終身死亡保険 | 終身医療保険 |
終身は、ずっと同じ保険料ですが、ちょっと高めで、定期は、比較的安い保険料ですが、保障期間が決まっているので、期間がくると切れてしまします。また、更新することも可能でに、その時に、保険料が上がります。
さらに、個別で解説していきます。
まず、死亡保険とは
死亡保険には大きく分けて4つの種類があります。
- 終身死亡保険(一生保証)
- 定期死亡保険(10年、20年、30年などの期間保証)
- 養老保険(何もなければ、払ったお金がほぼ全額戻ってくるタイプ)
- 収入保障保険(死亡したときに毎月でお金が出る)
こうした保険は、
- お金が貯まる・貯まらないといった違い
- 保障額が変わらない・変わるといった違い
- 期間の定めがある・ない
という違いがあります。
表に整理するとこのような形です。
保険種類 | お金が貯まる | 保険料 | 保障額変わる | 保障期間 |
---|---|---|---|---|
終身死亡保険 | 解約すれば一部または全部戻る | 一定 | 基本は一定 | 基本は一生 |
定期死亡保険 | 掛け捨て | 更新時に上がる | 基本は一定 | 有限 |
養老保険 | 貯蓄 | 一定 | 基本は一定 | 有限 |
収入保障保険 | 掛け捨て | 一定 | 徐々に減少 | 有限 |
どの保険も被保険者(保険の対象となっている人)が死亡した際に、お金が出る保険になりますので、家族の中で誰かが死亡した際に困るケースでは、加入しておくべき保険になります。
つまり、逆に死亡したときに困る人がいなければ入る必要もないのです。
メリットとデメリットを挙げてみますと、
死亡保険 メリット
- 被保険者の死亡時に家族に大きなお金をのこせる(旦那死亡に妻・子に残すなど)
- 解約返戻金が貯まる(不要で解約する際に、戻ってくる金額)
- 相続時に保険金に非課税枠がある(遺産相続のときの節税対策)
- 保険金が遺産分割協議書に載らない(遺言書なし確実に遺産が渡せる)
死亡保険 デメリット
- 低金利下で解約返戻金は増えにくい(自分で運用した方が良い場合も)
- 資金が固定される(柔軟に資産運用できない)
- 資産が十分にあれば必要ない(保険は万一の備えなので、資産があれば備え不要)
- 必要な保障額以上に加入するのは無駄が多い(過剰に入っているケースがある)
などでしょうか。メリットの3(遺産相続時の非課税枠)、4(遺産分割協議)で挙げた点などは相続の対策などでも良く使われる特徴になります。
医療保険とは
これに対して医療保険とは、死亡時ではなく、入院したとき、通院したとき、手術をしたとき、先進医療を受けたときなどにお金が支払われる保険になります。その種類としては、
- 終身医療保険(入院と手術などの給付金、一生保証)
- 定期医療保険(入院と手術などの給付金、10年、20年などの期間保証)
- がん保険
- 三大疾病保険(「がん(悪性新生物)」「急性心筋梗塞」「脳卒中」)
などが存在します。
定期は10年、20年、30年とか決まった期間の保証です。保証期間が切れるタイミングで更新が可能です。
終身は、一生保証するタイプです。年齢は若いうちは、定期医療保険の方が保険料が安く、高齢だと、終身医療保険の方が毎月の保険料が安い場合が多いです。
なお、3(ガン保険),4(三大疾病保険)はがんになった時や心臓や脳の疾患になった際に支払われる特徴のある保険になります。
これらは加入者自体が将来自分が病気などでお金が多くかかることに備えるために加入するべき保険です。メリット・デメリットとしては、
医療保険 メリット
- 入院・手術といった大きな出費に備えられる
- 特定の病気に対して大きなお金がもらえる
医療保険 デメリット
- 公的な医療保険でカバーできる部分も大きい
- 十分な資産があれば必要ない可能性がある
などでしょうか。
日本の場合は、公的な保険で、原則3割負担、高額療養費制度などが存在します。そのため、手厚い医療保険に入る必要性のある方は実は多くはないかもしれません。自分の資産額も考慮して、入院・通院・手術・その他の治療などでお金に困る可能性がある場合に加入するようにしましょう。
公的医療保険の1つで、医療機関や薬局でかかった医療費の自己負担額が、ひと月で一定額を超えた場合に、その超えた金額が支給される制度です。
例えば、70歳未満で、年収約370~約770万円の方が、100万円の治療を受けた場合、自己負担額は約9万円となります。
参考:高額療養費制度を利用される皆さまへ |厚生労働省
https://suumo.jp/jj/bukken/shosai/JJ012FD010/?ar=030&bs=011&nc=92236368
投資初心者ミナ
死亡保険も医療保険も自分にとって必要がどうかを十分に検討して加入したいものですね。