投資初心者ミナ
・フォリオが目指す社会とは?
・個人の投資って不要じゃない?
・テーマ投資、おまかせ投資って何?
こんな悩みをもって、フォリオの本社に乗り込み、直接、代表にお話を伺ってきました。
投資初心者ミナ
フォリオは、「LINE Financialとの業務提携」や「松本人志さんのTVCM」などで話題になっている注目の企業です。まだ小さい会社ですが、野望はすごく大きいです。今回は、フォリオのサービスや現在、今後の展望について詳しく聞いてきましたので、解説します。
投資初心者ミナ
甲斐 真一郎(かい しんいちろう)。京都大学法学部卒。在学中に1年半プロボクサーとして活動。ゴールドマン・サックス証券、バークレイズ証券を経て'15年12月よりフォリオを創業し、現職。フォリオ(会社名・サービス名)は、LINE Financial 株式会社と提携し、LINEスマート投資(LINEアプリ上から投資できるモバイル投資サービス)の基盤になっています。 |
いただいた「フォリオ・ウォーター」
目次
ところで、FOLIO(フォリオ)とは?
FOLIO甲斐代表
「資産運用の世界」に革命を起こすため、「カンタンなのに最先端」なプラットフォームを提供することを掲げています。フィンテック(金融×テクノロジー)業界を代表する日本の企業です。
現在、「テーマ投資」と「おまかせ投資」の2つのサービスを提供しています。
- 「テーマ投資」
- 「おまかせ投資」
それぞれ解説していきます。
投資初心者ミナ
「テーマ投資」好きなテーマを選んで投資できる
ネットで買い物をする感覚でテーマから日本株に投資できます。
テーマ投資って何?
いざ、株に投資しようと思っても、次のような悩みはつきものです。
- 個別銘柄ってたくさんありすぎて、どれがいいかわからない
- 人工知能関連の株に投資したいけど、どの企業?
- 買おうとおもったら、ちょっと高すぎて買えない
- 注文しようにも「成行」「指値」「特定口座」とかわからない用語だらけ
そこで、フォリオの提供するのは、特定の「テーマ」に関連する企業10社で構成された「株をまとめたもの」です。
例えば、「人工知能」というテーマであれば、そのテーマに関連した「株価と業績が有望な企業」の10社に分散投資が可能です。
これによって、会社選びで迷うことや、倒産の可能性がある会社を間違って選んでしまうこともありません。
また、テーマ投資は、Amazonなどと同じようにカートに入れて購入するだけですので、株の注文で戸惑うこともりませんし、1つのテーマは1万円台から購入できますので、大金が必要ということもありません。
「おまかせ投資」2018年11月に開始したロボアドバイザー
許容できるリスクを診断し、入金するだけで、全自動で資産運用できます。投資先は、世界の株・債券・金・不動産など多岐にわたり、分散投資します。
おまかせ投資って何?
テーマ投資は便利ですが、次のような悩みを持つ方もいるかもしれません。
- 大きく失敗するのが嫌なので自分では選びたくない
- プロに運用を任せたい
- 下落の可能性を抑えて資産運用したい
- 下落してもいいから大きく利益を狙いたい
テーマ投資とは異なり、金額とリスク(価格変動幅の大きさ)を設定して、運用してもらうタイプの投資です。次の特徴があります。
- 年齢・年収・預金額などを入力すると最適な運用プランが診断される
- 世界の株・世界の債券・金・不動産などに広く分散して投資
- 短い間の保有ではなく、3年、5年、10年、30年とかある程度の長期的な運用
これなら、予め将来受け取れる金額をシミュレーションして投資することが可能です(なお、シミュレーションは将来の運用成果を示唆・保証するものではありません)
投資初心者ミナ
投資メニューの難易度
それぞれの投資メニューは、リスク・リターン(値下がりの危険性と得られる利益)の大きさが異なります。
個別株の投資は、上手くいけば得られる利益は大きいかもしれませんが、初心者は火傷をする可能性があります。そこでテーマ投資という形でプロが選定した、そのテーマに沿った有望企業10社に投資することで、ある程度の火傷を抑えることができます。
また、おまかせ投資は、自分に合ったリスクレベルを設定できるので、より安定的に投資したい方から、ある程度チャレンジしたい方まで柔軟に対応可能です。
もちろん、銀行に眠らせておくのもよいですが、現金で持ち続ける場合は、リスクはないですが、増える機会を逃すことになります。
2018年クリスマスに松本人志さんのTVCM放映!
2018年のクリスマスに、TVCMが放映されていました。
「ドローン篇」「人工知能篇」「VR篇」と3種類のテレビCMが公開され、「株」や「投資」といった話題が一切出ない、シュールな世界が話題となりました。
引用:「FOLIO」の“気になる”初CMが公開|株式会社FOLIOのプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000022761.html
フォリオがなぜこのようなサービスを提供するか?
FOLIO甲斐代表
今の日本では貯金をしてもなかなかお金は増えません。それにも関わらず、退職金の金額は減る一方で、年金は将来もらえるかどうかも分からない…。
現在、日本は多くの「お金」の問題を抱えていますが、国全体として簡単に解決できるものではなりません。
そのため、「企業や国任せではなく」個人で資産運用をすることが「自分や家族を守る」ために大切になってきます。
ただ、「株を選ぶのってめんどくさそう」「口座開くのが手間」「元本割れが怖い」「大きく下がったらどうしよう」と資産運用についての悩みは多いもの。
フォリオは、そんな個人が運用する際の悩みを少なくするため、
- 簡単な口座開設のフロー
- 操作が手軽で、難しい用語がない画面
- プロが選定した信頼性の高い株で構成したテーマ
というユーザーにやさしい設計になっています。
投資初心者ミナ
資産運用時代の幕開け
FOLIO甲斐代表
崩れるお金に関する三種の神器
人生で大きくお金に関係すること言えば、
- 銀行預金
- 年金
- 終身雇用(退職金)
という3つ(お金に関する三種の神器)ですが、この3つが崩れ始めています。
- 銀行預金 → ほぼゼロの利息
- 年金 → 受け取れる年齢はどんどん上がり、払っていない人も
- 終身雇用(退職金)→ 経団連は守れないと考えている
銀行預金は、昔の高い利息が付いた時代は終わり、超低金利でほとんど利息はつかず、年金は、受給できる年齢がどんどん先に延び、今の20代、30代はもらえるかどうかすら怪しい状態です。
終身雇用(=退職金)に関しては、2019年4月に経団連の中西会長が『「終身雇用」を続けていくのは難しい』と回答し、大きく話題になりましたが、私たちを取り巻く、お金に関することが変わりつつあります。
出典:経団連会長“終身雇用を続けるのは難しい”|日テレNEWS24
http://www.news24.jp/articles/2019/04/19/06429964.html
これまでの日本人に必要なかった資産運用が当然の習慣に
よく考えてみれば、1つの会社で一生を務め上げるという人は、かなり少なくなり、キャリアアップのために、転職を数回する人が身近に増えています。
そうなると、受け取れるかわからない退職金を給与から差し引かれるよりも、自分で資産運用に回した方が、将来の蓄えができることは、間違いありません。
日本人の資産運用は、まだ夜明け前?
世界の金融資産の傾向を見てみると一目瞭然ですが、日本人は「現金・預金」の比率が高く、5割以上が「預金」という状況です。
一方、アメリカでは「預金」は1割ほどしかありません。多いのは株・保険・投資信託といった金融商品です。(ちなみに、アメリカは、日本と異なり、貯蓄型の保険は、2~5%ほどの金利がつきます。そのため、資産運用の商品といっても過言ではありません)。ヨーロッパでも預金の構成比は3割ほどです。
そういった世界の状況を見ると、5割のお金が預金口座で眠っている日本のお金が動き出せは、日本経済が動き出します。そのトリガー(引き金)となるのが「個人の資産運用」となるわけです。
ちなみに、日本の預金(現預金)が945兆円(2018年12月時点)と非常に大きな金額で、この資金が、投資によって企業や経済活動に流れることで、日本や世界が活性することにもなります。
家計金融資産(資金循環統計)
http://www.stat-search.boj.or.jp/ssi/mtshtml/ff_q_1.html
眠る預金と動き出す日本経済
日本社会には、Amazon、Apple (iPhone)、Google(Google検索、マップ、Gmail、Chromeブラウザなど)、Facebook、Twitterと外資の製品やソフトウェアが増えてきています。
一方、日本の製品は?というと、ソニー、NEC、パナソニック、東芝、富士通とどこも縮小や苦戦を強いられている状況です。このままだと、日本の産業は先細くなっていくのでは?という不安もあります。
企業が活動するとなると、多くの人の投資(資金)が必要となりますが、日本人は預金する傾向が高く、世界と違ってお金は、企業に回らず、銀行で眠っている傾向が強い傾向にありました。
つまり、「日本のお金が銀行で眠っているので、日本経済にお金が回らなくなり始めている」という状況が日本にはあります。
国は「お金に強い日本を作る」と宣言!
金融庁が平成19年に「金融・資本市場および金融サービス産業の競争力強化を国家的優先課題の1つとして位置づける」として発表しています。
まだまだ弱い状況ですが、国が力を入れて進めていくことで、日本の金融サービス産業(お金を上手く、活用して経済成長していく活動)が強くなっていくことは可能性として十分に考えられます。
すでに、イギリスは金融立国化しました。産業の中でも、金融サービスの比率が多い国となりました。日本も、既存の産業が少なくなっていく中そういった体制が必要です。
今後、銀行やタンスで眠っているお金がそういった企業に向かうことで生産活動が活性化され、日本でも、世界に通用する企業が増えていくかもしれません。
参考:市場強化プラン(金融・資本市場競争力強化プラン)について:金融庁
https://www.fsa.go.jp/policy/bmi/index.html
一方、資産形成に投資が必要と思っていない日本人は83%
国もお金に強い日本を作っていくと言いつつも、まだ資産形成に投資が必要と思っていない日本人が、83%もいる状況です。(2016年の金融庁の調査より)
その理由は、
- そもそも投資に興味がない
- 投資は損するリスクがあり怖いものだから
というものが多いです。
投資の教育を受けたことがない日本人に、「投資の知識を身に付けたいか?」と聞くと、67%は「身に付けたいとは思わない」と考えているのが実情です。
参考:平成27事務年度 金融レポートについて:金融庁
https://www.fsa.go.jp/news/28/20160915-4.html
投資の良さはどうしたら、わかる?
代表の甲斐さんは、自身のトレーダーとして経験から「投資の良さ」というのは「まずやってみないとわからない」と語っていました。
新卒でゴールドマンサックスのトレーディング業務に就く前に、実際に会社のお金で投資というものを経験させてもらえるそうです。そうやって投資を実際にやってみることで、投資の魅力だったり、押させるポイントに気づいたと話していました。
投資の良さを知ってもらうためには、たとえ少額でも、よりリスクを抑えたものを体験するのがいいと思います。そのために、まず、気軽に体験できる環境が必要と語っていました。
投資初心者ミナ
フォリオは何を考えているのか?
FOLIO甲斐代表
「誰もが使っている金融サービスへ」へ
フォリオが今後、サービスを提供していきたいと考えているのが、
- 投資をしたことがない人
- 投資に興味をまだ持っていない人
といった方々だそうです。
既存の投資家は、自分で勉強して、どんどん新しいものを探して、資産を増やしていきます。ただ、フォリオをぜひ使ってもらいたいのは、そういった方々以上に、「投資未経験者」「投資にまだ興味を持っていない人」だそうです。
そういった方々に使ってもらうためにも、フォリオは「分散投資」に「少額」に「簡単」に投資が体験できるように設計されています。
フォリオは、既存の証券会社のウェブサイトと比べると、かなり使いやすくなっていますが、代表曰く、もっと使いやすくするために、まだまだ「プロダクトの磨き込み段階」と語っていました。
金融サービスを利用して、もっとゆとりある人生設計を
日本に、2000万人いるといわれている「まだ投資をしておらず、投資の必要性に気づいていない方」に利用していただくためには、「投資で資産が形成された体験」「わずかであるが、投資によって資産が増えた経験」が必要です。
そのために、投資を身近なサービスとしてこれからもっと使ってもらいやすい形にしていく必要があります。
長期で投資できるテーマも
テーマ投資で人気のテーマが「ドローン」「人工知能」「VR」といったもので、現在のテクノロジーの話題性に合わせて、人気が出ています。ただ、これらのテーマは、より短期・中期的な投資に向いているかもしれません。
30年などの長い期間でみると、30年後に果たしてどうなっているのかは、やや不確実なところもあります。
そこで、30年などの長い期間にわたって投資できるテーマというのも揃えているそうです。例えば、「京都」「ベトナム」といったテーマはどちらかと言うと長期的な投資に向いているかもしれません。
国や地域の成長を応援する形で、長く投資してもらえるようなテーマづくりに力を入れているよです。
テーマは初心者が火傷しないような株を選定
テーマを構成する企業を確認すると「もっとテーマに関係する企業があるのでは?」という疑問が生まれそうなテーマもあるそうです。
というのも、例えば「人工知能」というテーマであれば、かなり関連する企業ありますが、フォリオのテーマ投資では、ただ関連するというだけで、テーマに組み入れるようなことはしていません。
売り買いができる十分な出来高(売買の量)があるか?、値動きは変動幅が大きすぎないか?など、テーマに組み入れる前に十分に個別企業の銘柄を選定して、組み入れるようにしています。
構成している企業をみると、やや関連が薄いのでは?と思える企業も組み込まれていますが、それは、設計の段階でスクリーニング(選別)をかけて、より信頼性の高い企業をテーマに組み入れるようにしているからです。そうやってスクリーニングされて、作られたテーマは、初心者でも、安心して投資できるような銘柄で構成されています。
投資初心者ミナ
フォリオの将来的な展望は?
FOLIO甲斐代表
テーマ投資は、リスク(変動幅が小さめ)を抑えて初心者向けに構成されていますが、やや慣れてきた人や中級者には、少し物足りなさがあります。
この点については、今後、中級・上級向けに、ややリスクも高め(変動幅が大きめ)の銘柄も組み入れていくように考えているそうです。初心者向けではないことを明示するなどの配慮も行う予定とのことでした。
または、テーマ投資に関しては、現在「日本の株」を中心に構成していますが、今後は、アメリカの株も、テーマに必要かもしれないと考えているそうです。
投資初心者ミナ
既存のロボアドバイザーの課題は「利用者はほとんど投資経験者」
現在、ロボアドバイザーの利用者は「投資経験者」が多いことが特徴です。というのも、ロボアドバイザーの良さは、自分で、個別の株を買ってみて投資を経験した人ほど理解しやすいからです。
一度、自分で失敗して「自分ではダメだ」と思った方ほど、「ロボアドバイザー」の良さを実感するそうです。
ただやはり、フォリオは、まだ投資をしてもらったことがない人にも「広く利用してもらいたい」と考えているそうです。
満を持して、2019年4月25日にリリースしたLINEスマート投資の「ワンコイン投資」は、LINEという身近なツールと連携し、より身近に使ってもらえるようになりました。
また、ロボアドバイザーは業界的に運用手数料 1.0%(年、税抜)というのが一般的ですが、預金と比較する初心者にとっては、手数料1.0%は安くみえないという課題もありました。(実際のところ、1.0%~3.0%ほどの投資信託に比べると、運用手数料 1.0%は安い)
今回、ワンコイン投資は、運用手数料を最大1年間無料( 2019/4/25(木)~2020/4
これからも、フォリオは「もっと、もっと簡単に利用できる」を目指して、さらによいプロダクトを提供していくそうです。また、「プロダクトの作り込み・磨き上げ」にも力を入れていくそうです。
最後に、こんな話も聞けました。
投資初心者ミナ
「テーマ投資」「おまかせ投資」どちらがよいの?
「では、どちらがよいのか?」
というところが気になりますが、これについては、代表の甲斐さん曰く、「ユーザーが好きな方を選択すればよい」と語っていました。
FOLIO甲斐代表
投資の世界には、昔から「守りの投資(パッシブ投資信者)」と「攻めの投資(アクティブ投資信者)」があります。どちらが正しいということは、プロの世界でも、未だに決着はついていないし、どちらでも成功している投資家は大勢います。
そのため、フォリオでは攻めの投資を「テーマ投資」と守りの投資を「おまかせ投資」とした場合に、どちらが優れているかと比べるものではなく、利用者が好きな方を選んで選択すればよいと考えているそうです。
サービスを提供する会社として、どちらが正しいという必要はないと考えていて、どちらを選んでも良いサービスとして使えるように提供していきたいと語っていました。
まとめ
今回は、話題のフォリオについて本社に乗り込み、直接、代表にお話を伺ってきました。本当に日本を変えてくれそうな会社です。
今回、伺った話のポイントをまとめると以下の通りです。
- FOLIOとは、オンライン投資サービス
- 「テーマ投資」は好きなテーマを選んで投資できる
- 「おまかせ投資」2018年11月に開始したロボアドバイザー
- それぞれの違いは、リスクとリターン
- 2018年クリスマスに松本人志さんのTVCM放映!
- フォリオがサービスを提供するのは資産運用時代が到来したから
- 時代と共に「預金」「年金」「終身雇用」が崩れる
- これまでの日本人に必要なかった資産運用が当然の習慣に
- 眠る預金が動き出せば、日本経済が動き出す
- 国は「お金に強い日本を作る」と宣言!
- 一方、資産形成に投資が必要と思っていない日本人は83%
- 投資の良さを知るには、投資をはじめるしかない
- フォリオは気軽に体験できるような設計を目指す
- 金融サービスを利用して、もっとゆとりある人生設計をする
- テーマ投資は、初心者が火傷しないような株を選定
- フォリオの将来的な展望はアメリカ株やプロダクトの磨き込み
- 「テーマ投資」「おまかせ投資」の好きな方を選択する
投資初心者ミナ
銀行預金の利息はほぼゼロ、年金ももらえるかわからない不安時代に、これまでの「貯金・預金」のスタイルから、これからは攻めの「資産運用」が必要ですね。
普段仕事が忙しい人も、まずは、投資のキッカケとして、フォリオは、良い選択かと思います。ぜひトライしてみてください。
それでは、賢い資産運用を。